促音発話時の構音器官の運動に関する研究
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概要
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日本語の促音の発音に際して構音器官, 特に下口唇や舌の運動が, 単音の場合や長母音の場合とどのように異なっているかをX線マイクロビームシステムを用いて解析を行った.<BR>被検者は日本人男性 (東京方言) 1名で, pelletの位置は舌には, 舌体部及び, 舌背部に各1個, 下口唇に1個, 下顎に1個, 歯科用接着剤で接着した. reference pelletsとして, 鼻背部及び, 被検者の左上顎金義歯1番を使った. 各発話ごとにペレットの動きがX線マイクロビームシステム (ウイスコンシン大学) により記録され, そのデータは直接コンピュータに入力されて構音器官の運動が解析された. 発話サンプルは, 無意味後で/papiH//paQpiH//paHpiH/を用い, 各構音器官の動態について, 単純な子音, 促音/Q/, 及び長母音/H/の場合を比較した. また, 会話の速さを, 普通の場合と, できるだけ速くした場合の2種類で行い, 両者での構音器官における移動距離や運動のパターンを比較した.<BR>各発話時の速度の検討から, 下口唇の上下方向の運動速度は, 各発話間, また発話する速度に無関係でほぼ一定の速度をとり, 比較的ばらつきが少なかった. それに比較して, 舌体や舌背の運動は, 促音の発話時に単音や長母音の場合よりも有意に遅く, またばらつきも多かった. 促音に関する舌体や舌背の運動の様式は, 音形論的な記述における, underspecification (不完全指定) と言われる素性指定の調音的な表れとみられた.
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