大氣濕度が水和セメントの膨脹收縮に及ぼす影響, (II)
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概要
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水和セメント中に保有する固着水, 半固着水, 自由水等について知るため平衡水分, 乾燥曲線及び灼熱減量等について調べ濕度の變化による之等水分の變動を吟味し次に濕度の變化に基く容積變化について測定した。之等實驗の結果は次の樣であつた。(1) 水和セメントは純セメントに對し固着水22%前後半固着水15%以内 (濕度によつて變動する) 及び特に水分の多い條件下 (例へば水中養生の如き) では自由水を含む。(2) 固着水は所謂化合水又は結晶水と唱へるものであり半固着水はゲル及潜晶質物表面の純吸着水及び之等微粒間隙の極微毛細管内の準吸着水であり自由水は毛細管及び空隙等を充し何等吸着作用を伴はない水であると考へる事が出來る。(3) 濕度による容積變化は半固着水の量に正比例するものゝ樣である。その容積變化は濕度1%につき純セメントは50℃空中養生物は初め6ケ月間に於ては100mにつき約27mm位それから1年迄は1.6mm位であり20℃水中養生物は空中養生物より大きく6ケ月位までは5mm前後で空中養生物よりは大きかつた。モルタルは50℃空中養生物は1年以内では濕度1%の變化について100mにつき0.6mm前後であり20℃水中養生物では6ケ月以内では0.7-0.8mm位でやはり空中養生物の容積變化よりは大きかつた。コンクリートは2年半位迄は濕度1%の變化について100mにつき大約0.6mm前後でモルタルの場合と大體似てゐる。しかし之等の値はセメントの種類及び養生法等によつて多少相違するものであることは勿論である。
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