マグネシア耐火物の彈性率に就て (第7報) : クリンカーの粉末度, 成形壓並に粉碎機
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概要
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先年鞍山に於て囘轉窯で硬燒されたクリンカー1種を用ゐ, 粒子の細かさ, 成形壓及び粉碎機の差異がマグネシア製品の品質に及ぼす影響に就て研究した。 粒子の細かさに關する實驗では, クリンカーをボールミルで粉碎し, 之を3-2, 2-1, 1-0.34mmの粗粒に篩別け, 殘餘を鐵製ポットミルで細粉となし, この細粉の10-50%を上記3種の粗粒の配合物に添加して試驗片を作製し, その氣孔率, 嵩比重, 彈性率, 曲げ破壞係數, 壓縮強度, 計算耐熱度等を比較した。 試驗片は工業窯でSK 19強に燒いて貰つた。 此等の配合中, 粗大な粒子に富み細粉に乏しいものと, 細粉に富み粗大な粒子に乏しいものとの2種につき成形壓を100-1,000kg/cm2間に變化させてその影響を檢べた。 實驗の方法は上記と同樣である。 粉碎機の實驗ではボールミル, ローラーミル及びジョークラッシヤーで一定の細かさの粗粒を拵らへ, 之に細粉10%を配合して上記と同樣の實驗を行つたのである。 實驗の結果を略述すれば次の通りである。(1) 氣孔率及び吸水率は粗粒が細かくなるほど増加したが, 細粉の細かさになると急減した。 蓋しこの細粉は特に易熔成分が増してゐて可なり燒固した爲であらう。(2) 粗鬆製品の嵩比重は寸法と重量とから求めた方が良い。 嵩比重は細粉が少くなり粗粒が細かくなるに從て低下した。(3) 概して粗粒が細かいほど彈性率が低くかつた。 但し細粉だけの試驗片は彈性率が甚だ高かつた。 細粉の量が一定であれば彈性率は氣孔率に逆比した。(4) 彈性率は略ぼ曲げ破壞係數に正比した。 後者は壓縮強度よりも變化率が小さい。(5) 著者等は曲げ破壞係數/(彈性率×嵩比重) の値で耐熱性を比較した。 均質體では熱膨脹係數は嵩比重に伴つて増減すと假定したものである。 彈性率と嵩比重とは共に細粉が減じ且粗粒が細かくなるほど小さくなる。 從て耐熱性を増すには細粉の量と粗粒の大さとを減じ且適當な温度で燒成することが必要である。(6) 成形壓が増せば彈性率が増す。 此影響は粒子の細かい原料では左程著しくないが, 粒子の粗いものでは甚だしい。 計算耐熱度は細かい原料では壓が増せば増加し, 粗い原料では壓が加はるに從て減少する。(7) ラデックス煉瓦は他の市販マグネシア煉瓦に比して氣孔率が少く嵩比重が大きい。 尚ほ彈性率が低く機械的強度が弱い。 此等の點から考へると細粉を少くし高壓で成形したものらしい。(8) ボールミル粉碎物は丸味を帶び, ローラーミル粉碎物は扁平に, ジョークラッシヤー粉碎物は立方状になり易い。 彈性率及び曲げ破壞係數はこの順序で増加した。 計算上の耐熱度はローラーミル粉碎物が最も低く, ボールミルとジョークラッシヤーとでは寧ろ後者の方が有利らしく思はれた。
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