硼珪硝子の耐水性に關する二, 三の實驗 (續) : (其2) 繰返し處理による試驗 (其3) 熔解過程中の耐水性の變化に就て
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概要
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(其の2) 前報に組成を記したA, B兩硼珪硝子に就き, 前者には210℃の過熱水, 後者には100℃の水を2時間宛數囘乃至十數囘繰返し斷續的に作用させる場合の重量損失及び溶出アルカリ量を測定した.双方共, 合計作用時間とそれ等の數値との關係は前報の連續的作用とは異り抛物線には表はされずほゞ直線的である. この理由として考へられるのは, 水の浸蝕によつて硝子面に生成される水和珪酸ゲルの膨潤被膜が作用後の乾燥の度毎に脱水, 收縮を繰返し, 從つて新しい硝子面が水と接觸するに到り最初とも變らぬ速度で溶出が行はれる事で, 珪酸ゲルは一旦乾燥すれば再び水和膨潤し難き不可逆ゲルである事と關聯して以上の推定を可能にする.(其の3) 硝子の熔解の過程と共に耐水性が如何に變化するかを2種の硼珪硝子に就て實驗した.バッチ投入後未だ完全に硝子化せず, 不熔解SiO2の殘存する状態より清澄後高温に繼持したまゝ, 一定時間 (約1時間) 毎に試料を採取してゆき, それについて加壓試驗を粉末法にて適用し, 耐水性を判斷した. 結果は, 熔解の時間過程による重量減少及び溶出量は多少の起伏ある變動を經過し, 途中に重量減少率極小の點を有し, 耐水性は必ずしも熔解時間と共に増加するといふ事は斷定出來なかつた. 且つ清澄硝子化後は量的にほゞ耐水性が一定値に近づき熔解時間に依る差異は僅少である.
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