原発不明の縦隔リンパ節癌3切除例の検討
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概要
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原発不明の縦隔リンパ節癌の3症例を経験した.症例1は68歳の男性.縦隔リンパ節腫大を認め,手術によってリンパ節癌と診断された.術後7年目に左上葉に肺腫瘤が出現し切除を行った.リンパ節癌と肺癌の組織型は同一であったため,肺転移と診断した.症例2は72歳の男性.嗄声の精査で大動脈下リンパ節の腫大を指摘された.同リンパ節の生検で,扁平上皮癌と診断され,放射線化学療法を行った.術後1年後に左肺転移が出現.術後2年5ヵ月において担癌生存中である.症例3は71歳の女性.右肺下葉の肺癌で肺切除および肺門縦隔リンパ節郭清を施行.病理組織で,肺腫瘍は扁平上皮癌であったがリンパ節に大細胞神経内分泌癌をみとめた.術後3年5ヵ月で非担癌生存中である.縦隔リンパ節腫大をみとめる症例では,原発巣が同定できなくても診断と治療をかねた外科的アプローチを検討する必要がある.