胸腹壁に連なる巨大血管腫の1切除例
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概要
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症例は28歳女性.右下部側胸壁の膨隆を自覚し当院を受診.胸腹部CT,MRI上は胸部骨性胸郭外壁から腹腔側に連なる多房性嚢胞を認め,血管腫が疑われた.手術では先ず腫瘍胸壁部の直上を肋骨に沿って皮膚切開した.比較的薄い被膜から成る腫瘍を前鋸筋,外腹斜筋および肋間筋から剥離し,さらに創を腹壁へ延長して肋骨弓を離断し開腹すると,腹腔側腫瘍は嚢胞成分が主体で,一部胸壁腫瘍と連なるようにして腹膜外に在り,肝臓を圧迫していたため,これを腹膜と共に摘出した.病理診断は筋肉内血管腫で,胸壁と腹壁の腫瘍は起源が同一であった.皮膚の血管腫に比べ,深部軟部組織に生じる血管腫は稀であり,さらに胸腹壁に連なる巨大な血管腫は他に例を見ない.その発生機序を,胸腹壁腫瘍の発生頻度や画像所見から類推すると,下位肋間筋より発生した後に腹腔内へ進展していったものと推測された.
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