石灰石-生石灰-石灰乳の関係について (第4報) : 石灰乳の炭酸化反応
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概要
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本報では, 石灰乳液にCO2ガスを送入し, CaCO3生成の状態と生成物の沈降容積等について検討し, 適当な乳液濃度, 反応温度, CO2ガス濃度等を決定すると共に, ガス吸収促進剤についても実験を行つた。又試料中多数の沈降石灰を検鏡したが, すべて菱面体結晶であるらしく, 反応中断等の操作は原乳液中の粒度が均一でなく, 少々無理である。試験結果を要約すると,1) 乳液濃度と吸収効率とは大きな関係を有し, 稀薄濃度程良いが, 収率を勘案して10%附近をとれば, 沈降容積も大体満足な結果を与える。2) 反応温度は低温となる程吸収効率不良であるが, 5℃反応等の生成物は非常に嵩だかいが, ガスの吸収率は非常に悪く, 乾燥困難である。乾燥の問題が解決すれば, 20℃附近が操作の上からも適当であろう。3) CO2ガスの濃度は吸収効率, 沈降容積等より考察して30%附近が良好である。4) 炭酸化反応の進行状態よりみてガス供給の方法, 例えばでき得る限り小気泡にすること, ある程度反応の進んだものに対しては低濃度のガスを徐々に送入すること等が考えられ, 又微粒子原料のみを集めて反応させること等が望ましい。5) フォルマリンの添加は, 反応促進と沈降容積に大きな効果を示し, NaCO3, NaHCO3も促進効果を有する。なお, その他の諸性状あるいは乾燥条件, 方法等については試験継続中であつて, 次の機会を得たい所存である。
- 社団法人 日本セラミックス協会の論文
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