間接指示薬光度滴定によるインジウムの定量
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概要
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EDTAを用いる錯滴定の終点指示に光度滴定法を用いた研究は多いが,その方法は,金属イオンまたは金属EDTA錯塩の吸光度変化を用いる直接法,または被滴定金属イオンと金属指示薬で形成される錯塩の吸光度変化を用いる指示薬法である.しかし,被滴定金属イオンに微量の他の金属EDTA(MEDTA)と金属指示薬(I)を加え,終点をMI+EDTA→MEDTA+Iの反応による変色から求める方法すなわち電流指示薬を用いる電流滴定法に相当する光度滴定法(これを間接指示薬光度滴定と呼ぶ)については検討されていない.α-ピリジルアゾナフトール(以下PAN)を用い,InをEDTAで錯滴定する際,共存イオンの影響をすくなくするためpHを小さくするとInPAN錯塩の分子吸光係数(<I>aM</I>)が小さいため,低濃度まで定量できない.そこで著者はFlaschkaと同じくCuPAN錯塩が非常に安定で,かつ<I>aM</I>が大きい点を用い,In溶液にPANおよび少量のCuEDTAを加え,終点をCuPAN+EDTA→CuEDTA+PANの反応による変色から求める方法を光度滴定法で行った.その結果,室温ではCuEDTA,CuPANの安定度定数の差があまり大きくなく,低濃度のInの定量には補正を必要とすることが明らかとなった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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