誘発反応機構の一般的考察およびKMnO<SUB>4</SUB>-Fe(II)-Cl-系の誘発反応とZimmerman-Reinhaldt試薬の抑制機構について : 分析化学における誘発反応の研究(第1報)
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概要
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酸化還元滴定における誘発反応機構およびその抑制法を検討する.本報においては,誘発反応機構の一般的考案を行い,作用子(actor),誘発子(inductor),受働子(acceptor)のほかに,新たに誘発作用子(inductive actor)を定義した.誘発反応における最も重要な支配子はこの誘発作用子の生成であって,これが作用子から生成される場合を自己誘発(self induction),誘発子に起因する場合を相互誘発(mutual induction)と区別する.<BR>KMnO<SUB>4</SUB>-Fe(II)-Cl<SUP>-</SUP>系の誘発反応は連結反応の自己誘発に属し,作用子はMn(VII),誘発子はFe(II),受働子はCl<SUP>-</SUP>であり誘発作用子はMn(VI)<SUP>★</SUP>, Mn(V)<SUP>★</SUP>である.本誘発反芯速度または誘発係数<I>Fi</I>は,受働子/誘発子の濃度比の減少および酸濃度の減少とともに小さくなる.Zimmermann-Reinhaldt試薬中Mn(II)の効果は局部的に生ずる誘発作用子Mn(VI)<SUP>★</SUP>と反応してすみやかに消失せしめるためである.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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