前線反応を利用するペーパークロマトグラフィーによるウランの簡易微量定量法
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概要
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ウランの簡便な微量定量法としてのペーパークロマトグラフィーを検討,改良し,再現性および感度に望ましい結果を得た.すなわちあらかじめペーパー上に待機させたフェロシアン化カリウムの前線において,酢酸エチルに抽出,上昇してくるウランを逐次反応呈色させ,その呈色線を標準系列のそれと比較し定量する.本法によりペーパー上0.02γのウランも検出し得るので,1gの固体試料または1<I>l</I>の試料水中の10<SUP>-2</SUP>〜10<SUP>-6</SUP>gのウランを定量し得た.なお本法においては鉄,銅その他の妨害もなく,誤差も±30%以内にとどまり,再現性,保存性を確保し得る.ウランの地化学探鉱,鉱床での分布の研究,さらに精密分析の予備手段として有効である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文