赤血塩による酸化滴定 : クロム,モリブデン,タングステンの定量
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概要
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赤血塩を酸化標準液に使用し,クロム,モリブデン,タングステンの酸化定量を試みた.いずれも試料を液状アマルガムで還元し,遮蔽剤にトリリン酸ナトリウムおよびピロリン酸ナトリウムを加えてポリリン酸錯塩とし,炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムでアルカリ性としそのpHを測定した後,赤血塩標準液にて滴定をおこない,定量可能なpH範囲を調査した.遮蔽剤にトリリン酸ナトリウムを使用した場合,クロムはpH10.7以下で2価より3価に,モリブデンはpH9.1〜11.2で3価より6価に,タングステンはpH6.6〜10.6で4価より6価に,それぞれ酸化定量することができる.ピロリン酸ナトリウムを使った場合,クロムはpH10.4以下で,モリブデンはpH8.8〜11.0で,タングステンはpH6.5〜10.6で,トリリン酸ナトリウムを加えたときとおなじように酸化定量することができた.<BR>赤血塩を酸化標準液として,トリリン酸ナトリウムおよびピロリン酸ナトリウムを遮蔽剤としクロム,モリブデン,タングステンの定量を試みた.<BR>(1)クロム,トリリン酸ナトリウムを使用した場合はpH10.7以下,ピロリン酸ナトリウムを使用した場合はpH10.4以下においてそれぞれ定量は可能であった.<BR>(2)モリブデン,トリリン酸ナトリウムを加えた場合pH9.1〜11.2,ピロリン酸ナトリウムを加えた場合pH8.8〜11.0の範囲でその定量は可能であった.<BR>(3)タングステン,トリリン酸ナトリウムを使った場合pH6.6〜10.6,ピロリン酸ナトリウムを使った場合pH6.5〜10.6で酸化定量することがでぎた.