脳膿瘍と細菌性髄膜炎を併発した肺癌多発脳転移の1剖検例
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概要
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背景.肺癌は高頻度に脳転移をきたすが,他疾患との鑑別は画像で評価せざるを得ない.剖検にて脳膿瘍および細菌性髄膜炎の併発が判明した肺癌・多発脳転移の症例を経験した.症例.57歳男性.胸部異常陰影の精査目的に紹介入院となる.胸部CTと頭部CTより左上葉肺門部肺癌,多発性脳転移と臨床診断した.入院後急速に意識障害が進行し,放射線治療とステロイドの投与を開始したが第4病日に死亡した.剖検では肺扁平上皮癌と多発脳転移を認め,その壊死巣に肺炎球菌の感染による脳膿瘍,細菌性髄膜炎が併発していた.癌の転移巣自体は小さかったため,末期の意識障害は膿瘍拡大による影響と思われた.結論.脳膿瘍の頭部CT所見は転移性脳腫瘍と類似しており,神経症状の進行が速い場合にはまれではあるが留意すべき併発症である.
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