ESRスペクトル法による水溶液中のバナジルイオンの状態分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水溶液中のバナジルイオン(VO<SUP>2+</SUP>)の存在状態をESRスペクトルによって解析した.酸性溶液ではアコ錯体VO(H<SUB>2</SUB>O)<SUB>4</SUB><SUP>2+</SUP>(g値:1.963,結合定数:116ガウス)で,塩基性溶液中ではバナジン酸イオンの形V<SUB>2</SUB>O<SUB>5</SUB><SUP>2-</SUP>(g値:1.968,結合定数:102ガウス)でいずれも1種類だけ存在しているという結果が得られた.0.1<I>M</I>シュウ酸溶液中では溶液の酸性度に従ってアコ錯体(<pH1),シュウ酸錯体(pH0.8〜10,g値:1.968,結合定数:86〜114ガウス),バナジン酸(>pH7.9〜)と溶存状態が変化していくことが認められた.0.05<I>M</I> EDTA溶液中でも,溶液の酸性度に従ってアコ錯体(〜pH0)からEDTA錯体(pH0.79〜10,g値:1.978,結合定数:106ガウス)に存在状態が変化することが観測された.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- ポリエチレン中の不純物
- 27a-ZN-3 陽電子消滅によるSiの酸素と電子線照射により導入された欠陥の相互作用の研究
- 表面分析講座-4-表面分析へのアプロ-チ-4-イオン,粒子の検出による表面分析
- 表面分析講座-1-表面分析へのアプロ-チ-1-表面分析の概要
- メスバウア-スペクトルによる腐食生成物などの分析
- 血液中のイオン化カルシウム測定の進展 (1990年の化学-2-)
- 固体の表面分析-1-固体表面の分析法概論(測定法講座)
- セラミックスの分析 (機器分析はここまでできる--マグカ-ボンれんがとファインセラミックスに役立つ分析機器)
- メスバウア-スペクトロメトリ-による鉄鋼の状態分析
- X,γ線利用の世界の動向-2-粒子誘起X線分光分析
- 転換電子メスバウア-スペクトロメトリ-(CEMS)による化学処理鋼表面層の状態分析,層別分析および低温測定用CEMSの試作
- ESRスペクトル法による水溶液中のバナジルイオンの状態分析
- メスバウアースペクトロメトリーによる過塩素酸,硝酸,硫酸および塩酸溶液中の鉄(III)イオンの状態分析
- メスバウアースペクトル法による定量分析の可能性 : ユウロピウム-151の共鳴吸収
- 試料溶液の重量採取と中性子放射化γ線スペクトル法の組み合わせによるナノグラム量ユウロピウムの高精度定量
- 分析化学と情報科学