キシレノールオレンジとエチルトリドデシルアンモニウムプロミドによるイットリウムの抽出吸光光度定量
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概要
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イットリウム-キシレノールオレンジキレートの水溶液と,エチルトリドデシルアンモニウムブロミド(ETDA)のキシレン溶液を振り混ぜると,イットリウム-キシレノールオレンジとETDAのイオン会合によって青色の三元錯体が生成し,有機相に抽出される.この三元錯体は芳香族炭化水素によく抽出されるが,<I>n</I>-ブタノール,酢酸エチル,MIBK,ニトロベンゼンなどの極性溶媒には抽出されない.キシレンに抽出された錯体の吸収極大は604nmにあり,その吸光度は水相のpHが5.5〜6.5において一定かつ最高の値を示す.検量線は有機相中のイットリウム濃度が0〜4.5μg/5m<I>l</I>おいてベールの法則に従い,錯体のモル吸光係数は7.6×10<SUP>4</SUP>cm<SUP>-1</SUP>・mol<SUP>-1</SUP>・<I>l</I>である.連続変化法および平衡移動法の結果から,錯体の組成はイットリウム:キシレノールオレンジ:ETDA=1:1:2と推定される.トリエチレンテトラミンおよび1,10-フェナントロリンは錯体の吸光度に影響しないのでマスキング剤として使用できる.しかしそれらを使用しても希土類元素,トリウム,バナジウム(V),ウラン(VI),ジルコニウム,硝酸塩,過塩素酸塩,クエソ酸塩,フッ化物,EDTAなどは妨害する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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