金属鉛および鉛-アンチモン合金中のカドミウムのポーラログラフ定量
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概要
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日本原子力研究所の臨界実験装置で用いている模擬燃料(dummy fuel)中のカドミウムを定量する必要が生じた.この模擬燃料は,ウランの核分裂反応度と中性子吸収反応度を別々に測定する目的で作られたもので,鉛,アンチモンおよびカドミウムからなる合金である.アンチモンはウラン-238と高速中性子吸収スペクトルが近似し,カドミウムはウラン-235と熱中性子吸収スペクトルが近似するため用いられたもので,それぞれ計算量が加えられている.<BR>金属鉛および鉛-アンチモン合金中のカドミウムのポーラログラフ定量法はすでにいくつか報告されているが,いずれの方法もかなり繁雑な操作を必要とし,また直流ポーラログラフ法であるためにカドミウム濃度が低くなると定量は困難になる.著者は,試料を硝酸で溶解し,硫酸を加えて大部分の鉛を硫酸鉛として沈殿させたのち,その上澄液を直接ク形波ポーラログラフで測定して良好な結果を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文