ジエチルジチオカルバミン酸銅による水銀イオンの検出について
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概要
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ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムはCu<SUP>2+</SUP>によって難溶性の銅塩を生じ,これはCCl<SUB>4</SUB>等の有機溶剤に転溶して黄褐色を呈し銅の検出および定量に広く使用されている<SUP>1)2)</SUP>.著者はこの銅塩のCCl<SUB>4</SUB>溶液をHg<SUP>2+</SUP>の水溶液と振盪するとCCl<SUB>4</SUB>層が脱色することを見出した.これはジエチルジチオカルバミン酸の水銀塩が銅塩よりもさらに難溶であるため銅と水銀が入れ替り白色のジエチルジチオカルバミン酸水銀を生成するためである.通常の分析表で取扱う陽イオンの中本反応を呈するのはHg<SUP>2+</SUP>,Hg<SUP>2+</SUP><SUB>2</SUB>,Ag<SUP>+</SUP>のみであって,Cl<SUP>-</SUP>共存の際はHg<SUP>2+</SUP><SUB>2</SUB>,Ag<SUP>+</SUP>は本反応を呈せずHg<SUP>2+</SUP>の特異反応となることを知った.なお本試薬は以上の外にAu<SUP>3+</SUP>,Pd<SUP>2+</SUP>でも脱色されたが,これ等を除去してHg<SUP>2+</SUP>の検出を行うことが出来た.
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