電解分析に関する現場実験
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概要
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非鉄金属工業は製鉄工業などと比較すると規模が小さいうえに,多品種,少生産という宿命を負わされているため,分析化学に携わる者にとってもいろいろとやっかいな問題をかかえている.ことに筆者のような研究所の分析部門となると取扱う材料が千差万別で,とうてい一つ一つの問題について系統立てて実験検討を行ない,論文に取りまとめるだけの余裕が持てないのが実情である.そのため,せっかく行なった実験の結果が各自のノートに記されるにとどまり,いつのまにか消えて行くという事実が少なくない.そのほか,われわれ仲間で "常識"として済まされている事がらが案外一般に知られていないこともしばしば経験しているので,以下,現場ノートのいくつかを紹介させていただくこととする.<BR>さて非鉄金属の代表的なものとして銅および銅合金があるが,これらの試料の標準分析を行なうにあたり電解分析装置の設置は不可欠であって,試みに現在JIS のH関係で採用されている電解分析法を列記してみるとつぎのとおりである{()内は定量成分}.<BR>JIS H 1101 銅地金分析方法{Cu(+Ag)}<BR>H 1115 ニッケル地金分析方法{Ni(+Co)}<BR>H 1201 銅製品分析方法(Cu,Pb,Cd)<BR>H 1211 黄銅分析方法(Cu,Pb,Zn)<BR>H 1222 特殊黄銅分析方法(Cu,Pb,Zn)<BR>H 1231 白銅および洋白分析方法(Cu,Pb)<BR>H 1241 リン青銅分析方法(Cu,Pb)<BR>H 1251 青銅分析方法(Cu,Pb,Cd,Zn)<BR>H 1261 ベリリウム銅分析方法(Cu)<BR>H 1271 ニッケル銅合金分析方法(Ni,Cu)<BR>H 1311 アルミニウム製品およびアルミニウム合金分析方法(Cu)<BR>H 1413 銅ニッケル抵抗材分析方法(Cu)<BR>H 1414 マンガニン分析方法(Cu)<BR>H 1501 ホワイトメタル分析方法(Cu)<BR>H 1522 リン銅地金分析方法(Cu)<BR>H 1551 ダイカスト亜鉛合金分析方法(Cu)<BR>H 1553 ベリリウム銅地金分析方法(Cu)<BR>そこで,今回はこの電解分析について多少解説的事項を付け加えながら,述べることとする.
著者
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