空気中の微量のニッケルカルボニルの測定法
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概要
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ニッケルカルボニルの急性被毒の許容限界は3ppm/30min,40ppb/40hrとされており,通常の作業環境下では1ppbであるといわれているが,現在までは適当な測定法がないので管理することができなかった.それゆえに,できるだけ短時間に正確な値が得られる迅速定量法を検討した.すなわち,特別に考案,設計された吸収管内にヨウ素-エチルアルコール溶液(0.05%)20m<I>l</I>を採取し,トリクレン-ドライアイス冷媒(-30℃)に浸せきし,2<I>l</I>/minの流速で空気を通過させる.通気終了後,砂浴上で吸収液を蒸発乾固して,ヨウ素とエチルアルコールを除いたのち,ヨウ化ニッケルの黒色残サを水に溶解し,ジメチルグリオキシムによる比色法によりニッケルカルボニルを測定する.<BR>この方法によれば,500<I>l</I>の空気を採取することにより,ppbのオーダーのニッケルカルボニルを測定できるが,サンプリングから測定を終るまでの所要時間は約6〜7時間で,従来行なわれていた諸方法よりも,精度ならびに所要時間の上ですぐれた結果を与え,現場分析法としても十分使用できると考えられる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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