ジチゾン抽出法を用いるトリウム化合物中の微量銀の定量
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概要
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原子炉用高純度トリウム化合物中の銀は,中性子経済の立場から問題になる不純物元素の一つであるが,その化学分析法はいまだ報告されていない.そこで,著者らはジチゾン抽出によりトリウムから銀を分離したのち,有機物を分解し,<I>p</I>-ジメチルアミノベンジリデンローダニン法により比色定量する方法を試みた.この方法では有機物分解の際,銀が器壁に強く吸着されることが難点であったが,分解剤として硝酸・硫酸・過硫酸アンモニウムの使用によりこれを解決した.<SUP>110m</SUP>Agによるトレーサー実験,添加実験などの結果から本法により酸化トリウム中0.1〜5ppmの銀が±10%程度の誤差(銀0.5ppm以上の場合)で定量できることがわかった.なお,本法は通常のジチゾン抽出比色法とことなり操作に熟練を要しない.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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