ガスクロマトグラフによる金属中のガス分析
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概要
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真空溶融法による金属中のガス分析に対して,近年著しい発展をとげたガスクロマトグラフを適用し,一連の装置を試作した.すなわち,真空溶融炉から水銀拡散ポンプにより抽出したガスを,改良型自動テプラーポンプにより,いったんガスビュレットに捕集し,次に特殊三方コックにより,ガスクロマトグラフに送入して分析する.ガスクロマトグラフは,熱伝導度セルを検出器とした普及型で,モレキュラーシープ5Aとアルゴンを使用する.本装置による定量限界は,試料1g採取のとき次のとおり(重量%)である.<BR>水素:0.00002 窒素:0.0009 酸素:0.0028<BR>使用上の利点は次のとおりである.<BR>(1)1回の操作で,全成分が独立なピークとして分析できる.(2)特に窒素の検討に有効である.(3)冷却剤(ドライアイスなど)を特に必要としない.(4)取扱は容易で, 製作費, 維持費も比較的安価である.<BR>以上より,本法は日常的な金属中のガス分析法として,きわめて有効であることを知った.