ガスクロマトグラフィ-におけるカラム効率に関する-考察
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概要
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(1)理論段高さを表わす式中の独立変数をキャリヤーガス線速度からモル流量に変更することによって圧力と理論段高さとの関係を正し,これによってカラム出口と入口のキャリヤーガス線速度の比をできるだけ1に近づくように操作すべきであるとする従来の考え方を修正した.そしてモル流量が一定である限り,(1)カラム中の各部ではいかなる場合にも圧力の高い部分が低い部分より理論段高さが小さい.したがって,(2)カラムはいくら長くても,またいくらこまかい充てん剤を使っても,そのために生ずるカラムの圧力降下の増大によって各部の理論段高さが大きくなることはない,などが装置設計上の指針として得られた.また,カラム出口圧を高めると平均理論段高さが小さくなるという事実は,従来考えられていたように,ガス拡散項によるのではなく液相中の拡散項によるものであることが明らかになった.<BR>(2)平均理論段高さに関する正しい積分式を誘導した.また,KieselbachやLittlewoodの近似はカラム圧力降下の大きい場合にはかなり大きい誤差を伴い,平均理論段高さ全体としても大きい誤差を生ずる場合のあることを示した,