ケルセチンスルホン酸によるニオブの定量 : 金属有機錯化合物の分析化学的研究(第10報)
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概要
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ケルセチンスルホン酸は中性および酸性でニオブと反応して水溶性の黄色キレートをあたえる.中性で生ずるキレートの吸収曲線はpHによって変化するが,pH 6付近では吸収極大は約408mμにあって,pH 5.8〜6.5ではその吸光度も一定であった.このpH範囲で試薬濃度を7.4×10<SUP>-4</SUP><I>M</I>(0.03%)とし,410mμで測定すれば検量線は直線となり,分子吸光係数46,400を得た.<BR>硫酸酸性では,硫酸0.45<I>N</I>以下で生ずるキレートは約412mμに吸収極大をもつが,1.8<I>N</I>以上で生ずるキレートの吸収極大は約428mμにあって,一定の吸収曲線をあたえる硫酸の濃度範囲が得られない.しかし硫酸0.45〜1.8<I>N</I>で生ずるキレートの吸収曲線は約420mμと約451mμに等吸収点を結ぶ.この420mμの波長を用い,ケルセチンスルホン酸を7.4×10<SUP>-4</SUP><I>M</I>(0.03%),硫酸0.45〜1.8<I>N</I>とすれば検量線は直線となり,分子吸光係数14,800を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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