微量塩素の間接吸光光度定量法
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概要
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鉛地金中の微量の銀を,アンモニアアルカリ性溶液でジエチルジチオカルバミン酸銅-ベンゼン溶液を用いて銀と銅を置換抽出し,吸光度の減少から定量する方法を報告した.これをさらに発展させ,酸性領域において銀が塩素イオンと反応して塩化銀を生成し,このものが銅と置換しなくなることを利用して,間接的に塩素量を比色定量する方法を検討し良好な結果を得ることができた.<BR>すなわち,塩素イオンを含む硝酸酸性溶液(pH1.0〜2.0)に銀の一定量を加えて塩化銀にし,過剰の銀をジエチルジチオカルバミン酸銅-ベンゼン溶液に置換抽出し,吸光度を測定して塩素量と吸光度との関係曲線から間接的に塩素量を求めるものである.<BR>本法によれば,銀量と塩素量は完全に当量関係を満足し,定量下限は5m<I>l</I>抽出,吸光度0.03として1μgである.妨害元素には陽イオンとして水銀(II),パラジウム,銀,陰イオンとしてヨウ素,臭素などがある.