薄層クロマトグラフ用シリカゲル中の微量鉄の除去と定量
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概要
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薄層クロマトグラフ法によって無機化合物の分離検出を行なうとき,シリカゲル中に含まれる微量の鉄がしばしば展開,呈色などを妨害する.著者はこの鉄を簡単な方法で除去する方法を試みたが,これに先だち,シリカゲル中に含まれる鉄の量を定量しようとした.含まれる鉄は,シリカゲル中の全鉄量としてあらわされるものと,表面に付着してクロマトグラフ法を妨害するものとに大別されることがわかった.全鉄量はフッ化水素酸処理により試料を分解後,常法に従いチオシアン酸鉄の吸光光度法で求められたが,表面の鉄はアセトン-塩酸-メチルイソブチルケトン(MIBK)の混合溶媒系に浸すことによって除去され,この溶離液で処理したシリカゲルはクロマトグラフ法に用いても,もはや妨害しないことから,表面付着の鉄はこの溶離液について同じくチオシアン酸鉄法で定量して求められた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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