ガスクロマトグラフィーによる副生塩酸中の微量クロロメタン類の定量法
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概要
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メタンの熱塩素化プロセスから副生する塩酸溶液,特にその精製品中に含有される微量クロロメタン類の定量法を検討し,二硫化炭素抽出-ガスクロマトグラフィーによる微量の塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素の簡便な同時定量法を定めた.<BR>すなわち,濃度約32%の試料塩酸に抽出剤ならびに内標準物質として二硫化炭素を加えて10分間振とう抽出後分液し,分離管充てん剤にCarbowax-6000を用い,温度:80℃,キャリヤーガス:ヘリウム50m<I>l</I>/min,熱伝導度検出器使用,の操作条件でガスクロマトグラムを求め半値幅法でピーク面積を測定し,内標準法により,それぞれの補正係数および抽出係数を乗じて各クロロメタンの含有量を求める.<BR>塩酸中の微量クロロメタン類の迅速定量法は現在のところ他に見あたらず,本法によれば1.5時間で塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素のそれぞれ約10,5,1ppmまでが同時定量できる.<BR>なお,水素炎イオン化検出器付ガスクロマトグラフを用いて本法の検出能力を向上させうることを確かめた.すなわち,上記の二硫化炭素抽出液につき,分離管充てん剤にDOPおよびCarbowax-6000を用い,温度:70℃,キャリヤーガス:窒素45m<I>l</I>/min, range×sens.:0.4〜1.6×10<SUP>3</SUP>〜10<SUP>4</SUP>の操作条件でガスクロマトグラムを求め半値幅法でピーク面積を測定し,絶対検量線法で計算し,以下上記の方法によって定量する.この方法により1.5時間で塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素のそれぞれ約0.04,0.04,0.02ppmまでの同時定量が可能である.