陰極線ポーラログラフ法による鉄鋼中の微量鉛, 亜鉛の同時定量
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概要
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鉄鋼中の微量鉛および亜鉛の定量を行なうため高感度, 迅速性を有する陰極線ポーラログラフ法の研究を行ない, 支持塩の検討, 除鉄後の処理, 共存元素の影響, ピーク電位などを求め, 鉄鋼に応用した.すなわち試料を塩酸, 硝酸で分解し, 蒸発後5<I>N</I>塩酸酸性とし, メチルイソブチルケトンを加えて鉄を抽出除去し, 有機層に移った一部の亜鉛は6<I>N</I>塩酸で逆抽出し, 水層に合わせる.この溶液を蒸発し, 硝酸と過塩素酸でメチルイソブチルケトンを分解し, 乾固する.これを3度くりかえし, 冷却後0.5<I>M</I>リン酸支持塩でゼラチンを添加して鉛は-0.52V (対S.C.E.), 亜鉛は, -1.17V (対S.C.E.) のピーク電位における波高を測定する.<BR>この方法によって合成試料, 実際試料中の0.00<I>x</I>%程度の鉛, 亜鉛の定量ができ, 標準偏差は鉛については士0.00017%, 亜鉛については±0.00063%, 変動係数は鉛は11.3%, 亜鉛は15.1%であった.<BR>本実験は鉄鋼中の鉛, 亜鉛の微量を同時定量するため陰極線ポーラログラフ法による研究を行なった.支持塩に0.5<I>M</I>リン酸を用い, 主成分の鉄はMIBKで除き, MIBK抽出後, 混入してくる微量のMIBKを過塩素醜硝酸を用いて分解する.頂点電位, 測定条件を求め, さらに共存元素の影響を検討し, 微量の鉛, 亜鉛の同時定量を可能にした.これを合成試料, 実際試料に応用し, 満足すべき結果を得た.この方法によって試料の0.00<I>x</I>%程度の定量ができ, その精度は鉛については標準偏差±0.00017%, 変動係数11.3%, 亜鉛については標準偏差士0.00063%, 変動係数15.1%であった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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