β-ジケトンによるアルカリ金属イオンの溶媒抽出分離
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概要
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β-ジケトンによるアルカリ金属イオンの溶媒抽出および相互分離について検討した.<BR>キレート剤としてはテノイルトリフルオロアセトンやベンゾイルトリフルオロアセトンが最も効果的で,ついでジベンゾイルメタン,ジビバロイルメタソとなり,アセチルアセトンではほとんど抽出されない.また,極性溶媒ほどよく抽出され,トリブチルホスフェート(TBP)が最もすぐれている.アルカリ金属イオンはLi<SUP>+</SUP>>Na<SUP>+</SUP>>K<SUP>+</SUP>>Rb<SUP>+</SUP>>Cs<SUP>+</SUP>の順,つまりイオン半径が大きくなるにつれて抽出率は減少する.<BR>アルカリ金属イオンのキレート抽出を可能にするための不可欠な条件は,キレートが溶媒と付加錯体を生成することであるとの結論を得た.アルカリ金属イオンの相互分離を行なう場合,最も困難な問題の一つは溶液のpH調整であるが,テノイルトリフルオロアセトン-エーテル系を用いて水酸化ルビジウム(この系ではルビジウムはほとんど抽出されない)で塩基濃度を調整し,アルカリ金属イオンからリチウムが分離できることを明らかにした.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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