原子吸光分析法によるフェノール類の間接定量
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概要
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原子吸光分析法による有機物の間接定量に関する研究の一環として,フェノール類の定量法を検討した.<BR>フェノール類は酢酸酸性溶液中で亜硝酸コバルトナトリウムとともに加熱すると,コバルト錯体を形成するが,これはメチルイソブチルケトンに抽出されるので,この抽出液中のコバルトを原子吸光分析法で測定し,フェノール類を間接的に定量する方法を開発した.この時の種々の反応条件や共存物質の影響なども合わせて検討した.酢酸は反応水溶液中の濃度0.14〜1.00<I>N</I>,添加する亜硝酸コバルトナトリウムは,コバルトとしてモル比でフェノール類の2倍以上,加熱時間は5分間,抽出は10m<I>l</I>で1回という条件で測定は可能であった.<BR>共存物質の影響は,各種金属イオン,エフェドリン,ベンゾイン,安息香酸,ニトロベンゼン,アニリンについて検討し,鉄,ニッケル,アルミニウム,アニリンを除いて,約8〜15倍共存していても影響は認められなかった.また,これら妨害物質もフェノール以外のフェノール類の定量においては除去可能であった.
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