ペーパークロマトグラフ法による放射性水銀溶液の放射化学的純度試験
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概要
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放射性第二水銀製品溶液中の第一水銀,第二水銀および不純物として含まれる銀イオンの定量のためにペーパークロマトグラフ法による純度検定法を確立した.第一水銀,第二水銀の展開分離においては溶媒として,酢酸:硝酸:水の比が150:3:5のものを使用して展開した結果,<I>R<SUB>f</SUB></I>値がそれぞれ0.14,0,49であった.この溶媒では銀イオンと第一水銀イオンが同じ位置にあり両者を分離するためには,酢酸:硝酸:水の比が15:1:4の溶媒で展開した.その結果,銀イオン,第一水銀イオン,第二水銀イオンの<I>R<SUB>f</SUB></I>値がそれぞれ0.52,0.73,0.79であり,銀イオンと水銀イオンの分離が可能であった.したがって上記2種類の溶媒でそれぞれ展開することにより第一水銀,第二水銀,銀の分離定量が可能である.本法によると放射性第二水銀製品中に1.0%以上の第一水銀または銀イオンが存在すると検出が可能である.検定所要時間は展開,乾燥,測定を含めて約6時間である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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