溶出波ポーラログラフ法による上水中の銅,鉛,カドミウム,亜鉛の同時定量
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概要
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平衡型つり下げ静止水銀滴電極(BHMDE)を用いた溶出波ポーラログラフィーにより,上水および水道管中に24〜72時間滞留させた上水中の銅,鉛,カドミウム,亜鉛の同時測定について検討した.<BR>支持塩は 0.5<I>M</I> 酢酸ナトリウム+0.1<I>M</I> 酒石酸カリウムを用いた.有機物の存在は溶出波高を低下させるため,ゼラチンの0.2×10<SUP>-3</SUP>〜0.8×10<SUP>-3</SUP>%を含有する合成溶液(銅,鉛,カドミウム,亜鉛の1×10<SUP>-7</SUP><I>M</I>)について酸分解(過塩素酸,硝酸の2m<I>l</I>と硫酸の1m<I>l</I>)を行なった.各金属の回収率は92〜112%であった.<BR>上水の分析結果は,銅0.006〜0.017ppm,鉛0.003〜0.017ppm,カドミウム0.05〜0.2ppb,亜鉛0.006〜0.4ppm,水道鉄管の滞水から亜鉛4.3〜14ppm,カドミウム0.002〜0.004PPm,鉛0.025〜0.092ppm,銅0.001ppmが検出された.また水温,滞水時間,含有遊離塩素が管内のめっき亜鉛の溶出に影響を与えることがわかった.<BR>塩化ビニルの水道管から鉛の0.7〜3.6ppmが検出され,鉄管滞水中の亜鉛濃度とともに水質基準をこえたが,滞水をくりかえすことで急速に減少した.
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