中性子放射化分析法による毛髪中の微量元素の定量 : 低温灰化と水和五酸化アンチモン処理の適用
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概要
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毛髪試料に含まれる微量元素含有量を中性子放射化分析法により求めた.中性子照射直後の毛髪試料中にはナトリウム,臭素より生ずる<SUP>24</SUP>Na,<SUP>82</SUP>Brが多量に存在する.このため,従来より広く使われている非破壊放射化分析法では短寿命核種の定量は非常に困難であった.<BR>本法では,あらかじめ毛髪試料を低温灰化装置で灰化し,<SUP>82</SUP>Brのもとになる臭素を除去したのち中性子照射を行なった.一方,<SUP>24</SUP>Naはナトリウムを選択的に吸着する水和五酸化アンチモン(HAP)を用いて除去した.このような簡単な処理を行なうことにより<SUP>24</SUP>Na,<SUP>82</SUP>Brの妨害を受けずにインジウムをはじめとする17元素の定量が可能となり,また非破壊法に比べて測定に要する時間を大幅に縮めることができた.なお,低温灰化装置による試料分解の際の元素の揮発について検討した結果,臭素,水銀以外の元素の揮発は見られなかった.
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