PANおよびその類縁体の金属指示薬としての応用
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概要
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1(2-ピリジルアゾ)-2-ナフトール(PAN)がChengらによって分析試薬としてはじめて紹介されたのは1955年である.PANは多くの金属イオンと反応し呈色も鋭敏であるので,現在では比色分析や金属指示薬に広く用いられるようになっている.その後,PANの類縁体であるピリジルアゾ化合物やチアゾリルアゾ化合物が多数合成され,その分析化学への応用が研究されているが,比色分析に関する研究に比べて,金属指示薬に関するものはあまり多くないようである.後述するように,一般にチアゾリルアゾ化合物では対応するピリジルアゾ化合物に比べて,キレートの条件生成定数がlog<I>K</I><SUB>MI</SUB>で1〜2小さい.この程度の条件生成定数の違いは,比色分析に用いた場合には定量可能なpH範囲が多少ずれるだけであるが,金属指示薬に用いた場合は当量点の変色の鋭敏さを大きく支配する.<BR>このような観点から,著者はPANの類縁体である新しい試薬を多数合成し,その金属指示薬としての応用について系統的な研究を行なってきたので,その結果を中心に紹介する.<BR>ここで記述するPAN類縁体の構造式と略記号を表1に示す.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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