ポリアミド薄層クロマトグラフィーにおけるエストロジエンの移動率と展開溶媒の溶離能 : エストロジェンおよびその関連化合物のポリアミドクロマトグラフィー(第1報)
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概要
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エストロン,エストラジオール,エストリオールを試料として,いわゆるナイロン6によるポリアミド薄層クロマトグラフィーを試み,試料の移動率と展開溶媒の種類,組成との関係について検討した,まず23種類の非水単一溶媒について検討した結果,二,三の例外を除き展開溶媒の特性値であるhydrogen bonding Parameter (γ値)と solubility parameter (δ値)との両者があいまって高くなるにつれて試料の<I>R<SUB>f</SUB></I>値が増大した.γ値がほぼ5以上の溶媒系ではそのδ値が増大するにしたがって<I>R<SUB>f</SUB></I>値が高くなり,γ値およびδ値がともに10をこすとポリアミドの吸着能が弱まり,ポリアミドによる試料の相互分離はほとんど認められなくなった.<BR>エストロジェンを相互分離するための展開溶媒としては,ほぼ5以上のγ値を示す求プロトン性溶媒,あるいはγ値5以下の非プロトン性の極性溶媒が適当であった.また両者の混合による2成分系,あるいは非プロトン性の極性溶媒にδ値10以上のプロトン性水型溶媒を少量添加した非水2成分系溶媒が適当であると認められた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文