<I>N</I>-(2-ベンゾチアゾリル)-<I>N</I>-(4-フェニルスルホン酸)-<I>C</I>-フェニルホルマザンと金属イオンとの反応 : ホルマザンの分析化学的研究(第3報)
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概要
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標記の水溶性ホルマザンを合成し,これの水溶液中での酸解離定数,種々の金属イオンとの呈色反応,金属錯体の安定度定数などをさきに報告した水溶性ホルマザンPPFSおよびその他のホルマザン化合物の諸性質と比較しながら検討した.酸解離定数はp<I>K</I><SUB>a<SUB>2</SUB></SUB>=1.63,p<I>K</I><SUB>a<SUB>3</SUB></SUB>=8.25(30℃)であった.<BR>錯体の組成は金属イオン過剰,試薬過剰いずれの場合も亜鉛,銀,カドミウムおよび水銀に対しては1:1,コバルト,ニッケルに対しては1:2であった.銅のみは試薬過剰でかつpH>8.5のときに1:2その他の条件の場合は1:1であった.コバルト錯体には2価のコバルトによるものと3価のコバルトによるものの2種類が存在し2価コバルト錯体は時間の経過とともに3価コバルト錯体に変化する.これらの錯体の安定度定数はlog<I>K</I><SUP>2A</SUP><SUB>NiA<SUB>2</SUB></SUB>=18.04,log<I>K</I><SUP>A</SUP><SUB>CuA</SUB>=9.33,log<I>K</I><SUP>A</SUP><SUB>CuA<SUB>2</SUB></SUB>=9.05,log<I>K</I><SUP>A</SUP><SUB>ZnA</SUB>=5.20,log<I>K</I><SUP>A</SUP><SUB>AgA</SUB>=9.27,log<I>K</I><SUP>A</SUP><SUB>CdA</SUB>=4.04,log<I>K</I><SUP>A</SUP><SUB>HgA</SUB>=9.26,log<I>K</I><SUP>2A</SUP><SUB>Co(II)A<SUB>2</SUB></SUB>=23.22,log<I>K</I><SUP>2A</SUP><SUB>Co(III)A<SUB>2</SUB></SUB>=18.26(30℃,μ=0.1)であった.<BR>また銅をEDTAで滴定する際の金属指示薬としての応用について検討を行なった.
著者
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