ジチオカルバミド酸ヒ素 (III) の合成法 : 金属化合物の存在下におけるアミンと二硫化炭素の反応 (第1報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
種々のジチオカルバミド酸の金属塩がゴム薬として,あるいは農薬として開発されているがその類縁体のうちヒ素塩のみがウリ類,イチゴのウドンコ病に卓効を有することからこれを農薬として実用化するため工業化に適した合成法の検討を行った。<BR>ジチオカルバミド酸の金属塩の合成法はジチオカルバミド酸のアルカリ塩と金属の鉱酸塩とを水中で反応させるのが一般的な方法である。この合成法を適用すると,酸塩化ヒ素を使用しなければならない。<BR>三塩化ヒ素は加水分解性が強く塩酸を発生し腐食性が非常に強いことから工業的な合成方法としては不利である。これを解決するため工業的な基礎原料である三塩化ヒ素を活用する合成方法を検討しアミンと三酸化二ヒ素と二硫化炭素との反応から一段階反応で目的とするジチオカルバミド酸のヒ素塩を定量的に生成する合成法を見出した。この一段階反応は各種のジアルキルアミンやアミンや環状アミンに適用できるがモノアルキルアミンは目的とするジチオカルバミド酸のヒ素塩を与えず樹脂状物を与えるのみであった。
著者
関連論文
- 28. MCP系B-3670一連の構造と活性
- 除草剤 "Benthiocarb" の開発と実用化研究(社会を支える化学)
- 9. B-3015の作用性に関する研究 : 吸収について
- 27. チオールカーバメート系化合物の水田除草剤としての構造と活性
- 4. B-3015の作用性に関する研究 : B-3015とシメトリンの相乗作用
- 3. B-3015の作用性に関する研究 : B-3015のイネ,ヒエ選択性について
- 水田除草剤 “ベンチオカーブ剤” の開発
- α, α, α, ω-Tetrachloroalkane から誘導されるスルフィド類の化学構造とイネいもち病防除効果
- イソチオシアナートの新合成法 : 金属化合物の存在下におけるアミンと二硫化炭素の反応 (第2報)
- ジチオカルバミド酸ヒ素 (III) の合成法 : 金属化合物の存在下におけるアミンと二硫化炭素の反応 (第1報)