融雪洪水豫報の研究
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概要
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第2章で述べた考えを基礎にして本章では融雪洪水の実際をとりあつかつて見よう。<BR>1950年の3月4日の期間, 信濃川支流の魚野川流域における新潟県建設省日49発送電等の出先機関に自記温度計, 日照計, 雪量計等設置して, 熱量計算に必要な地上観測を依頼した。又新潟県, 建設省の既設水位流量観測所より同期間の毎日の水位流量観測資料を入手することが出来た。地上観測所, 水位流量観測所の配置は第3-1図に示してある。<BR>毎日の融雪量を決定するには次の様な方法がある。<BR>(1) 直接測定法<BR>(1) 融雪水の直接測定<BR>(2) snow sampler<BR>(2) 間接測定法<BR>(1) 積雪変化<BR>(2) 積雪へ出入する熱量の計算<BR>(1) の (1) は融雪して地面に滲透する融雪水を直接測定する方法であり, (1) の (2) は一定断面積をもつた中室金属製円筒を積雪中に突き刺して円筒内に入つた雪の重量を計り, その重量の変化をみて融雪量を決定する方法である。<BR>前者, 後者の方法とも地表の状態や測定器具等によつて, 多少の誤差を伴うことはまぬかれない。snow samplerを用いる代りに前章で述べた密度計で測定し, 計算出来るが, 手数が大変であるし誤差は相当大きい。<BR>(2) の (1) の方法は積雪内の雪の密度が上から下まで一様であるならば, 積雪の変化丈で融雪量は決定出来るが実際は積雪の上部と下部とでは密度が異るのが普通であるので誤差は当然生じて来る。併し大雑把な目安には融雪期であればこの方法がもつとも簡便である。 (2) の (2) の熱量計算は天気予報や週間予報等で各要素の量的予報が出来れば計算によつて洪水が予知出来るという利点があるが, 色々の係数の決定や輻射の測定法等に問題がある。<BR>要すれば上記の方法をすべて並用し熱量測定の実験を野外に於て精密に行つて簡易な方法を決定すべきであるが, 本研究ではそこまでに至つていない。<BR>本研究では地上観測の結果から積雪内に出入する熱量を計算し, それと河川の流量との関係を定性的に結びつけている。定量的には未だ不充分であるが, 定量的に推進することは, 本研究から決して不可能ではない。
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