凍土中の不凍水膜厚さの温度依存性
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概要
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凍土中の不凍水膜厚さの温度依存性とその融解のメカニズムを調べる目的で,パルス型核磁気共鳴(NMR)装置を用い,凍土の不凍水量を測定した.実験には比表面積のわかっている大谷石(ブロック状,パウダー状),藤の森粘土を用いた.実験結果から,不凍水膜厚さ(d)の温度(T)依存性はd=d0(Tm-T)-αで表されることがわかった.ここで,Tmは融点(0℃)である.これらの試料のd0の値は8<d0<12(nm),αの値は0.29<α<0.54の範囲であった.この不凍水膜厚さと温度の関係式を,不凍水の厚さが,ファンデルワールス力と電気二重層の表面力によるとした場合の理論式と比較した.不凍水量の温度による変化傾向は一致したが,計算値は実測値より小さくなった.さらに,計算値を実測値に近づけるためには,表面力として水分子配列の構造化による寄与も考慮に入れなくてはいけないと考えられる.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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