拘束圧下における土の凍上量と間隙水移動について
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概要
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固結シルト, 砂質シルト, 粘土の3種の不攪乱試料を用い, 試料に加わる上載荷重 (鉛直拘束圧) を0.9〜8.0kg/cm<SUP>2</SUP>の間で変化させて開放式 (open system) の凍上実験をおこない, 次のような結果を得た。<BR>(1) 拘束圧がある限度以上になると, 土は凍結過程で間隙水を排除しながら凍結膨脹する現象がみいだされた。<BR>(2) 凍結による土の膨脹率, つまり凍上率 (凍結後の試料の増加厚/凍結前の試料の厚さ, <I>h</I>) は.拘束圧 (<I>p</I>) 大きくなるほど抑制をうけ, 両者の関係は次の式で近似することができる。<I>h</I>=<I>c</I>/<I>p</I>+<I>h</I><SUB>0</SUB> (c,<I>h</I><SUB>0</SUB>は定数) <BR>(3) 凍結過程で移動する水の収支量 (<I>Vw</I>) と凍上した体積量 (<I>Vh</I>) の間には次の関係がなりたっていることが実験的に確認できた。<BR><I>Vh</I>= (1-α) <I>ΓVwo</I>+ (1+<I>Γ</I>) <I>Vw</I><BR>ここに,.<I>Γ</I>は相変化による水の体積増加率, <I>Vwo</I>は凍結前の土中水の量, αは定数 (0<α<1), <I>Vw</I>は凍結過程で試料に出入りする水の容積である。したがって, 凍結中の排水作用が凍上量の減少に寄与しているといえる。
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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