季節風の降雪は早朝に多い
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概要
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季節風の降雪では, 強い降雪が早朝に起りやすいことを長野地方気象台の観測値により宮沢清治が発見し, 岡林俊雄は倶知安, 札幌, 岩見沢の3時間降水量によって同じ事実を確めた.斎藤博英等はまた長岡でも同じ傾向があることを示した.<BR>この報告では, 標記の事実が日本の季節風による降雪を持つ地域で, 一般的な現象であることを示す.<BR>各気象官署の昼間 (9<SUP><I>h</I></SUP>→21<SUP><I>h</I></SUP>) と夜間 (21<SUP><I>h</I></SUP>→9<SUP><I>h</I></SUP>) の12時間新積雪が≧1cm, ≧5cm, ≧10cmの日の数と, その両者の比とを表-1, 2に示した.また, その比の値から1を引いた数に100をかけた数値を, 図-2, 3に示した.<BR>これらの図から, 次のことが見出される.<BR>○12時間新積雪量のどの階級についても, 夜間の回数は昼間の回数より多い.<BR>○この傾向は北の地域より南の地域で強く現われる.<BR>○この傾向は海岸より内陸の方が強く現われる.<BR>○これらは, 降雪量予報上見のがし得ない要素である.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文