氷単結晶の変形の異方性と転位の挙動
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概要
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氷の基底面上の積層欠陥のエネルギーは低く0.9mJ/m<SUP>2</SUP>以下と推定される.このため, 氷の全ての転位は基底面上で拡張し, その幅は少なくとも200Åになり, 閉じて完全転位に戻る機会が殆んどない.拡張したこれらの転位の運動は基底面上に制限される.それで, 基底面上をすべり運動するa/3〈1120〉バーガース・ベクトルの転位が, 塑性変形の殆んど全てを担う.他のバーガース・ベクトルの転位が基底面上を運動するには, 上昇運動を含まなければならないので, その運動は極めて低速である.それで, これによる変形は微小であり, 巨視的観察では殆んど識別できない程度のものである.したがって, 氷の単結晶が基底面に平行なすべり変形しかしないようにみえる極端な異方性は, 結局, 基底面上の積層欠陥のエネルギーが極めて低いことに起因している.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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