全身性エリテマトーデスの病像の変遷
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概要
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ARA(American Rheumatism Association)の診断基準を満足するSLF 307例を用いて,診断時年度により1955〜1969年までをA群(78例), 1970〜1979年までをB群(229例)の2群に区分し,両群の臨床的,免疫血清学的,病理組織学的所見について比較した.これによりSLEの病像の変遷とその要因について検討し, SLEの治療・管理上,今後提起される問題点に対処していくことをこころみた.その結果, B群では, SLEの軽症ないし慢性に経過する臨床病態の増加が認められ,これは診断技術の進歩,特に免疫血清学的診断技術に負うところが多いと考えられた.ステロイド初回投与量は,近年SLEの病態に応じて決定されると考えられた. B群の予後はA群に比べ有意に改善を認め,これは,尿毒症とGNSループスによる死亡が有意に減少していることによると考えられた.他方,近年尿毒症に対するCNSループスや感染症,心不全,消化管穿孔などの死因の比率が増大する傾向にあつた.長期経過観察されている症例では,有意に死亡率の減少を認めたが,死因における尿毒症の比率はむしろ増加傾向にあり,免疫抑制薬の使用例が有意に多く認められた.さらに,長期治療管理されている症例では,感染症,悪性腫瘍,動脈硬化性病変に伴う心筋硬塞などの併発が危惧され,無菌性骨壊死や妊娠を伴う症例も増加する傾向にあつた.今後,病型別治療方式の設定,進行性を予測する指標,長期治療に伴う合併症の対策などの配慮が必要と考えられた.
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