パーキンソン病のL-dopa療法中にみられるdeclining efficacyに対するbromocriptineの長期併用療法の意義
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概要
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L-dopa療法を施行中にdeclining efficacyを呈してきたパーキンソン病に対してはL-dopaの増量や,頻回分割投与ではもはや治療上対処し得ない.このような場合には線条体dopamine receptorを直接刺激する作用を有するdopamine receptor agonistが,治療上期待される薬物である.今回L-dopa療法を施行中にdeclining efficacyを呈してきた13例のパーキンソン病に対して, dopamine receptor agonistの一種であるbromocriptineを併用し,本剤の長期併用療法の意義について検討した.併用療法の結果パーキンソン病の三大徴候である筋固縮,静止振戦,無動に対しては併用6ヵ月までは前2者は併用開始時に比しいずれも有意に改善し,後者は改善傾向を示した。以後は有意な改善を示さなかつたが,併用54ヵ月までは併用開始時に比し明らかな悪化は示さなかつた.体位反応障害は併用3ヵ月までは軽減傾向, 6ヵ月以後は漸次悪化傾向を示したがいずれも有意なものではなかつた. Yahrs stageやParkinson scoreについても併用6ヵ月までは併用開始時に比し,有意に改善効果を示した.以後は有意な改善を示さなかつたが,併用54ヵ月までは併用開始時に比し明らかな悪化は示さなかつた.以上よりL-dopa療法中にdeclining efficacyを呈してきたパーキンソン病に対して, bromocriptineを併用した場合,副作用等で併用中止にいたらない限り, 54ヵ月の長期にわたり併用する意義があると考えられた.
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