僧帽弁狭窄症の運動中における心電図と血行動態の関連についての研究 : とくにexercise factorについて
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概要
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リウマチ性心臓病,特に僧帽弁狭窄症患者の適量運動量を判定し,かつ臨床的に用い得るパラメーターを検討するために,僧帽弁狭窄を主とする患者19名について,臥位,自転車エルゴメーターによる22.5wattsの一定持続運動を,原則として14分間行なわせ,その間2分毎に,心拍出量・大動脈圧・肺動脈圧および心電図V1, V3, V5誘導を同時記録し,得られた数値から,運動中の酸素需要供給のバランスシートを示す指標としてexercise factor(EF)を求め, EFの経時的変動と,対応する各時点における諸数値との関連性を検討してみると, EFと肺動脈圧は逆相関し, EFとmodified-TTIとはさらに良い逆相関を示した.また運動中,最大EFを示す時点における心拍数増加率は安静時の1.5倍前後にあり,さらに心拍数増加率が増すと, EFは急速に低下し始めた.このことは,心拍数が安静時の1.5倍前後に増加した時点に運動の適量限界があることを示していると思われる.