血小板ADP凝集にかんする研究 : ADP凝集の強さの測定法,再現性,個体差についての検討
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概要
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血小板ADP凝集の記録方法として,血小板浮遊液の濁度変化による透過光線の変化を経時的に測定する方法が最も広く用いられている.本法により血小板ADP凝集の強さを定量的に表現しようと試みた.すなわち,ADPにより最大の凝集を示した時の血小板浮遊液のoptical density (OD)と血小板を除いた血漿自身のODの比をもつて凝集の強さを百分率変化として表現した.実験には10例の症状の安定した患者ならびに健康者を用い,同一個体から日を変えて3回採取した検体にて,血小板ADP凝集の強さの再現性,濃度一反応関係,個体差を二元配置法にて推計学的に検討した.用いたADPは最終濃度10-6, 3×10-6,10-5モルである.各濃度のADPによる反応の10例の平均値で,再現性は危険率1%以下で認められた.個体差も危険率1%以下で各濃度による反応に認められた.3濃度間の濃度一反応関係は,一次性,二次性ともに認められた(P〈0.01).この原因として,血小板ADP凝集の強さに上限があり,二次性を構成する最終濃度10-5モルADPを除いてADP凝集の強さの濃度一反応関係をあらわすと, Y=358.382+64.324X(X=ADP log Concentation)なる一次式であらわせた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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