血清アルブミン代謝の統一的把握
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概要
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131I-アルブミンを用いて, 正常, 肝硬変, 吸収障害, ネフローゼ症候群, 蛋白喪失性腸症, 粘液水腫等の血清アルブミン代謝の動的解析を行ない, 次の結論を得た. 正常および肝硬変, 吸収障害, その他の疾患 (以上を対照・合成障害群とする) の血清アルブミン濃度とアルブミン分解量の間に高い相関々係があり, アルブミン分解量を規定する主因子は血清アルブミン濃度で, かつ血清アルブミン濃度の保持機構が存在する. ネフローゼ症候群および蛋白喪失性腸症は分解が異常に亢進し, 血清アルブミン濃度は分解率によつて規定され, 上述の対照・合成障害群の一般的関係より偏倚してこれに従わない. 粘液水腫は分解の低下が一次的で, やはり対照・合成障害群の一般的関係より偏倚する. 以上より正常およびアルブミン合成障害例では, 疾患の種類を問わず統一的法則に従い, これより偏倚する疾患では分解の異常 (亢進あるいは低下) が存在する事を明らかにした.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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