リウマチ因子の研究 : とくに非リウマチ性疾患主として肝疾患のFII凝集因子について
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概要
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リウマチ様関節炎(以下RA)にたいする血清学的診断法の進歩は,RAの陽性率を高めると同時に,非リウマチ性疾患の偽陽性率も高めるという新しい問題を提供した.著者は, RAと各種非リウマチ性疾患の陽性率を比較検討し, RA以外では,肝疾患に高い腸性率を示すことを知つた.そこで,リウマチ因子解明の一手段として,肝疾患の凝集因子とリウマチ因子との異同を詳細に追究した.その結果,両者間には, FII系凝集反応,感作羊血球凝集反応の凝集価に,明らかに,差を認めた.また, RAでは,肝疾患と異なり, TTTとF II系凝集価との間に,正の相関を証明,超遠心分析では,両者の凝集価とマクログロブリン量との間に,関係を認めなかつた.連続濾紙電気泳動では, RAはγ-グロブリン分画に,肝疾患ではβ-グロブリン分画に,強い凝集を示す等いくつかの面で興味ある新しい事実を知りえた.すなわち,両者は同じくマクログロブリンではあるが,その間には,量的と云うよりむしろ,質的な差があることを知つた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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