肝硬変症における門脈血流量と各種肝機能検査値より見た重症度との関係
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概要
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健常成人112名,肝硬変患者90名を対象として,超音波ドプラ法を用いて測定した門脈本幹血流量の分布を比較したところ,健常人では対数正規分布を示したが,肝硬変患者では広範囲に2峰性とも取れる不規則な分布を示し,肝硬変症の複雑な病態が門脈血流に反映している事が示唆された.<BR>肝硬変症患者のうち48名を対象として,門脈本幹血流量と各種肝機能検査値(血中アルブミン濃度・血中総ビリルビン濃度・ICG 15分停滞率・ICG血漿消失率)とを比較検討した.門脈血流が逆流または測定閾値以下の症例をA群,体重当りの門脈本幹血流量が12ml/min/kg未満の症例をB群,12以上20未満の症例をC群,20以上の症例をD群とした.肝機能検査値より見た肝硬変症の重症度はA群で最も重く,D・B・C群と続いた.A群では肝外短絡路が,D群では肝内短絡路が,それぞれ著しく発達している為に有効肝血流量が減少し,肝機能検査値が悪化する為と思われた.
著者
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森安 史典
京都大学第1内科
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染田 仁
京都大学第1内科
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内野 治人
京都大学第1内科
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玉田 尚
京都大学第1内科
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川崎 俊彦
京都大学第1内科
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木村 達
京都大学第1内科
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山下 幸孝
京都大学第1内科
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小野 成樹
京都大学第1内科
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梶村 幸三
京都大学第1内科
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