ラット肝癌モデルによる血清γ-GTP上昇機序の検討
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概要
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肝細胞癌における血清γ-GTPの上昇機序を明らかにするため,diethylnitrosamineによる肝癌ラットを用いて検討した.ラット胆汁の生理的胆汁酸濃度で肝癌組織の膜結合性γ-GTPは容易に可溶化され,特に抱合型胆汁酸では正常肝組織に比し可溶化されやすかった.ラット肝癌は超微形態的にも生化学的にも肝内胆汁うっ滞性変化を示した.7.5% polyacrylamide geldisc electrophoresisによる肝癌血清のγ-GTP zymogramでは,胆汁うっ滞パターンの他にpostalbumin位にあらたな活性を認めた.<BR>ラット肝癌血清中のγ-GTPの上昇機序には,著明に上昇した膜結合性γ-GTPが胆汁酸により可溶化されることや,肝内胆汁うっ滞もその一因として考えられる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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打越 敏之
聖マリアンナ医科大学 病理学教室
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鈴木 博
聖マリアンナ医大・消化器肝臓内科
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鈴木 通博
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院nst
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打越 敏之
聖マリアンナ医大第一病理
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岡部 和彦
聖マリアンナ医科西部病院消化器内科
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鈴木 博
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器内科 総合栄養支援室
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岡部 和彦
聖マリアンナ医科大学 内科
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中込 健郎
聖マリアンナ医科大学第2内科学教室
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打越 敏之
聖マリアンナ医科大学第1病理学教室
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打越 敏之
聖マリアンナ医大第2病理
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岡部 和彦
聖マリアンナ医大第2内科
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中込 健郎
聖マリアンナ医大第2内科
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