慢性肝疾患における血中C型肝炎ウイルスRNAの検討

概要

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慢性肝疾患156例でC100-3抗体と血中C型肝炎ウイルス(HCV) RNAの陽性率を検討した.HCV RNAはreverse transcriptionとpolymerase chain reactionのcombinationassayであるRT-PCR法にて検出した.血清200μlからRNAな抽出し,primerは5-noncoding領域に設定,40サイクルのPCR後Southern blot hybridizationにて解析した.HBs抗原陽性22例においてHCV RNAはC100-3抗体も陽性であった3例に検出され,その1例ではHBV DNAも陽性であり重感染例と思われた.非A非B型慢性肝疾患134例においてC100-3抗体は109例(81.3%)で陽性であり,HCV RNAはC100-3抗体陽性例では91.7% (100/109), C100-3抗体陰性例では60.0% (15/25)に検出された.HCV RNAの検出率は非A非B型慢性肝炎,肝硬変,肝細胞癌で有意差は認められなかった.肝病変の進展した慢性肝疾患においてもHCVは増殖状態にあり,C100-3抗体陰性非A非B型慢性肝疾患の半数以上にHCVが関与していると考えられた.