肝疾患に対するUrsodeoxycholic acid経口負荷試験の機構解析
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概要
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肝疾患に対するUrsodeoxycholic acid (UDCA)経口負荷試験の機構を解析しその理論的根拠を確立するため,UDCAの経口および経静脈投与後,血中UDCAについてRadioimmunoassay法とEnzyme Immunoassay法を,また胆汁中UDCAをMass fragmentography法を用いて分析した.その結果(1)肝障害のない場合に経口投与されたUDCAは2時間までに88.2%が,6時間で95.2%が肝より胆汁中に排泄された.(2)経口投与時の血中UDCA消失曲線はone compartment modelに,経静脈投与時はtwo compartment modelに適合した.(3) 健康者にUDCA (25〜300mg)を経口負荷すると血中ピーク値とArea under curve (AUC)は負荷量に比例して上昇し門脈血中から肝へのUDCA摂取率が一定であると推測された.(4) 肝疾患での経口負荷時AUCは健康者より大きく,その程度は重症度に比例しBioavailabilityの上昇とFirst pass clearanceの低下に反映された.(5) UDCA経口負荷試験のAUCはFirst pass clearanceと逆比例し,肝疾患を機能面から把握する鋭敏な指数であることが立証された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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